40周年の記念キットは「別枠」で考えましょう
ガンダム40周年、ガンプラ40周年を記念して企画された世界的工業デザイナーとのコラボ製品。
特別映像は松尾衡監督(サンダーボルトとか)が担当しているということで、かなり気合の入ったプロジェクトですよね。
その出来栄えには賛否両論あったようですが、こういうのは別枠で考えないとダメです。周年記念のお祭りなんですから。
さて、じゃあ実際の製品はどうだったのか。
「ガンプラ」として見てみましょう。
まずは武器ナシの三面図から。
全体的に感じる違和感の正体は、恐らく人間的すぎるバランスではないかと。
ガンダムは手足がながくてガッシリした体型ですが、これはどちらかというと鉄腕アトムとかそっち系の柔らかいシルエットです。
頭も大きく、腕が長くて脚が極端に長くないので、ガンダムっぽさより人間みたいに感じるんじゃないかと。
武器を持たせるとこんな感じ。
付属はビーム・ライフル、ビーム・サーベル、シールドの3つだけ。
物足りないと言えば物足りないし、必要十分といえばそうですかね。
バズーカくらいは欲しかったかも。
シールドは黄色い十字モールドが白くなり、ツライチになったのがオシャレポイント。あとはビーム・ライフルが少し小さいですね。
片手で扱うならこれくらいのバランスがベストなんですが、最近のガンダムを見慣れていると違和感があるかも。
アクションポーズ。
一部は人体より可動範囲が広いとされるだけあって、動かしたい方向に自由に動きます。
とにかくよく動く。
これだけは確かです。
問題は、動きすぎてポーズをバチッと決めたいときにはけっこう困ること。
余計なところも動いちゃうのでポージング決めて撮影するのはかなりシンドイです。
アクションポーズの例。
人間っぽいプロポーションだけあって、映像本編を意識したポーズは本当に自然に決まります。
動きに違和感がないというのか、振り向きざまライフル発射なんか、これほどウエストが自然に回るガンダムは見たことないです。
また立てヒザのときも脚が長すぎないので極めて自然ですね。
背のサーベルに伸ばした腕も自然で違和感がありません。
こういうポーズを取っているときは、やはりガンダムっぽいと感じます。
今回、撮影してみて感動したのが飛行ポーズです。
劇場版めぐりあい宇宙編の冒頭、キャメルパトロール艦隊に奇襲攻撃をかけるガンダムの飛行シーンに震えて以来、あれに似せて撮影するんですが、これほど安彦作画の雰囲気を再現できたガンプラはないです。
胴体の複雑な可動ギミックのおかげで、自然に背が反れるのが重要なんでしょうね。
そして、ララァを殺してしまった…のシーンも再現できます。
えーもう完璧じゃんかコレ。
このキットをいじくりながらずっと思っていたんですけど、このガンダムは恐らくグレー系とか白系の1色で塗装した方が見栄えすると思うんですよ。
なぜならこれは『Ring of Gundam』に出てくる「アムロの遺産」ガンダムにそっくりだから。
青とか赤とか黄色が入っているからアニメっぽくて違和感があるんじゃないかと。
むしろ工業デザインに振っているんだから色もそれらしくグレーとかの方が良いと思う。
今回は可動ギミックを見せたかったので素組状態でのレビューでしたが、いずれG-3ガンダムのような色に塗装してみたいですね。
というわけでガンダムG40の素組レビューでした。
ガンプラの可動ギミックに関して言えば今でもかなりの進化を遂げていますが、このG40はさらに上を行く発想だったのでそれだけでも価値があったと思います。
ただ品薄で一部転売価格になっているのを無理して買うほどではないので、おとなしく再販を待ちましょう。
プレミアムバンダイやガンダムベースオンラインショップでも申し込み予約があるようです。
HG 1/144 ガンダムG40 (Industrial Design Ver.)
価格:3,300円(税込)
発売日:2019年12月14日
https://bandai-hobby.net/gundam40th/gundam.html