全塗装&ウェザリングでアニメを再現!
ガンプラの仕上げには成形色そのままもありますけど、もちろん全塗装仕上げというものもありますね。
キットの表面を磨いて下地を作り、サーフェイサーという下地仕上げ塗料を吹き付けてさらに磨き、そして塗装をする。
手間も時間も道具も必要なのでハードルが高いようですが、筆塗りならそこまで手間はかかりません。
というわけで、今回は全塗装仕上げでも比較的簡単にできるガンダムEz8を題材にしてみましょう!
ちなみにEz8の読み方は(イージーエイト)です。

素組状態。
関節可動も優秀で、ご覧のとおり立ヒザも可能です。
陸戦型ガンダムはこの状態で描かれることも多いので印象的ですね。
問題はこの本体色です。
白とクリーム色の中間にあるような微妙なカラーで、再現が難しい。
胸部や足先なども青と緑の中間といった複雑な色で、どれもこれも調色が難しいですね。

とりあえず塗ってみた。
本体色は白に黄色を混ぜるのですが、この黄色はほんのちょっとで大丈夫です。マジに一滴でOKくらい微妙。
今回は黄色が強すぎて本編のイメージよりも「濃いィィ」感じになってしまいました。
また胸部と足先の青緑は再現が難しいのでコバルトブルーだけで塗装。意外と違和感ないのでこれでヨシとしましょう。
今回はすべて筆塗りで、成形色にそのまま筆塗りしました。
写真の状態では若干ウェザリングも入ってますが、これはシャバシャバに薄めたレッドブラウンを適当に塗った状態です。
塗装が終わったらウェザリングに入るのですが、今回もタミヤのウェザリングマスターを使用します。
ですが艶のある状態ですと粉が乗りにくいので、簡単につや消しクリアを全体に吹きます。
これはスプレータイプのものでOKです。
ウェザリングマスターで装甲のエッジを強調するにように色を乗せていきます。
白っぽくしたかったのでウェザリングマスターのEセットからイエローとグレイ、グリーンを使います。
グレイは青みがかった灰色といった感じで、装甲のエッジが黒いのはこのグレイを使っています。
ある程度ウェザリングができたらもう一度つや消しクリアを吹きます。
粉の定着が目的ですが、全体に色が濃く出るのでやりすぎを防ぐためにもほどほどにしておくのが無難です。
この段階であれこれポーズを取らせてみると、塗装しなかったヒザ関節パーツにゲート跡が見つかったりします(汗)。
幸いにも関節は未塗装だったので、ここで修正しておきます。

写真では黄色く見えますが、当初よりはかなり白くなりました。
というのも、つや消しクリア(トップコート)は湿度が高いときに吹くと白くかぶってしまうのですが、その現象を逆手に取って敢えて白カブリさせたのです。
夜中や明け方の時間帯は湿度が高いので、そこでわざとつや消しを吹きました。
結果は見事に白カブリして、黄色が弱まりました。
偶然の産物ですが、まあこういうやり方もありでしょう(苦笑)。
反面、トップコートの粒子感がウェザリングで強調されてしまい、表面がザラザラに見えてしまうようになったのが失敗でした。
なかなか上手くは行きませんね。



というわけで完成です。
まずは三面図から。
ところどころに見える銀色の塗装ハゲみたいな表現は、スポンジチッピングと呼ばれる技法で再現しました。
スポンジを手でちぎって、その断面にシルバーの塗料を付けます。
ティッシュで余分をぬぐったら、それを塗装ハゲを施したい部分にポンポンと軽く叩いていきます。
スポンジの凹凸が自然な感じに塗料を付けてくれるという仕組み……やりすぎると逆効果になるのはウェザリングの鉄則ですね。

付属の武器など。
パラシュートパックとビーム・ライフル、それとビーム・サーベルです。
サーベルはふくらはぎに収納されているのですが、今回トップコートを何度も吹いたせいでふたが固着してしまい、取り出せなくなりました(涙)。
なのでビーム・サーベル温泉は再現できませんでした。
アクションポーズその1。
陸戦型のモビルスーツ(MS)は立ち上がると目立つしマトになりやすいので、ヒザ立ちでの射撃シーンが多かった気がします。
まあ、そもそも宇宙じゃヒザ立ちなんてできないですしね。
アクションポーズその2。
走りながらの射撃シーン、そしてノリスのグフ・カスタムに左腕をやられてしまったシーンの再現ですね。
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ではMSの重量感がアクションシーンに反映されていたように感じますが、このキットは1/144スケールながらもそれがよく再現できていると思います。
動かしていて楽しい!
そして「倍返しだーッ!」からのグフ・カスタムとの正面対峙シーン。
グフ・カスタム作っておいて本当に良かった。
グフ・カスタムの方は半光沢仕上げなので、Ez8との対比がイイ感じになっています。
うーん、もう一回アニメ観よ。

というわけで今回はガンダムEz8のカスタムレビューでした。
作業のポイントは5つです。
- 本体の薄いクリーム色を調色するときは慎重に。1滴の差で黄色が強く出過ぎます
- 胸部などの青緑色も難しいので、無理な場合はコバルトブルーでも違和感ないです
- 塗装完了後にスミ入れとウェザリング。タミヤウェザリングマスターを使いました
- 途中でつや消しトップコートを吹いて様子を見ます
- 陸戦型なのでウェザリングは派手に入れても問題ありませんが、やりすぎには注意
2013年発売ということでけっこう古いキットの部類なのでしょうが、可動範囲については不満もありません。
腕や脚に合わせ目が出てしまうのが唯一の欠点かと思いますが、平面なので処理は簡単だと思います。
塗分けや使用する色数が少ないので、初めて全塗装するにはうってつけのキットだと思います。陸戦型は汚しで誤魔化しやすいですしね。
今回は調色に失敗したりデカール(シール)を貼り忘れたりパーツが固着してサーベルが出せなくなったりと失敗続きでしたが、たまには全塗装するのも楽しいですね。
水性ホビーカラーで筆塗りという初心者っぽいやり方でしたが、自分が楽しめればどんなやり方でも良いと思います。
ぜひ皆さまもチャレンジしてみてくださいね!
HGUC 1/144 RX-79[G]Ez-8 ガンダムEz8

価格:1,760円(税込)
発売日:2013年4月13日