全塗装でアニメ映像を再現したい!
HGUCもそれなりに歴史が長いので、昔のキットは成形色仕上げとするにはちょっと厳しい場合もあります。
今回のズゴックEは発売が2003年ですから、もう何、アレよ17年前ですよ……(泣)。
刻の涙を見たところで、ズゴックEをアニメ本編映像のように仕上げたい!
というわけで、今回は全塗装仕上げ&ウェザリングでサイクロプス隊のズゴックEを再現していきましょう。
素組状態。
蛇腹タイプの腕と脚はパーツの積層で、ひとつずつに可動ギミックがあるわけではないです。
簡単に言えば軸に通っているだけです。
全体のバランスは非常に良好で、ヒーロー体型になったズゴックEの特徴を再現しています。
上半身、肩、背中のジェットパックに合わせ目がガッツリ出ます。
気になるポイントではありますが、接着したあとに軽くヤスれば大丈夫です。
また、肩アーマーは挟み込み式なので、軸部分の下側を切除する後はめ加工をしておきます。
写真撮るの忘れたのでわかりにくいんですけど、丸い穴の下半分を切り取る感じ……って伝わらないか。
さて、いつもどおりに成形色にダイレクト筆塗りしようとしたところ、なんとオレンジと赤の塗装がスケスケ状態に。
隠蔽力の低い色とはいえ、こんなに透けるかい。このままではどうしようもないので塗料は落として塗り直します。
どうするかというと、サーフェイサーを使います。
これは下地の目止め仕上げ塗料というやつで、まあ乱暴に言えば超薄めたパテ液みたいなものです。
下地仕上げ塗料には星の数ほどの種類があり、どれが良いとかは一概に言えませんのでクレオスなど入手しやすいものを使います。
今回の場合はMr.サーフェイサー1200グレータイプです。
塗装終了。
今回もいつもどおりの筆塗りですが、下地を整えたおかげか筆のすべりがイイ!
塗料の伸びがよく塗りやすいし、発色もすごくいいのでちょっと感動しました。
やっぱりちゃんと下準備には意味があるんですよね。
ジェットパックには深海用のライトが設置されているんですが、この塗り分けがめんどくさい。
そこでホイルシールの余白のシルバー部分を切り取って貼ってみました。
合わせ目が消えきれてないのがアレですけど、このメタリック感は良かったかなと。
つや消しクリアを吹きます。
ウェザリングは艶アリ状態だと乗りにくいし、加減がわかりにくいためです。
タミヤウェザリングマスター、スポンジチッピング、シャバシャバに薄めたグレーによる液だれ表現塗装などを施します。
サイクロプス隊のマークはキット付属のシールを使用、ジオン公国のマークはガンダムデカールを使っています。
何となくガンダムとの比較。
同スケールのオリジン版ガンダムですが、全高は同じくらいでも全体的にデカイ印象。
ジオンのMSって結構デカイんですよね……。
というわけで完成です。
まずは三面図から。
グレーで汚したのが筆ムラみたいに見えています。
つまりやりすぎて失敗したということなんですけど、これは肉眼だとここまでは見えないんですよね。
照明を当てて写真を撮ると目立つという感じ。
ウェザリングは難しいですね。
上半身周辺のアップ。
頭部のミサイルは本来はグレーなんですけど、目立たせたかったので赤にしました。
モノアイはクリアパーツなのでブラックライトで光ります。
写真は光っている状態なんですけど、わかりにくい……苦笑。
水陸両用なので頭頂部から下方向に水が流れ落ちるイメージでウェザリングをしたのですが、なんか汚いだけなような。
アクションポーズその1。
腰はボールジョイントによる接続なのですが、パーツ干渉のせいで回転しないため打突ポーズが取れないのが難点。
それと肩と脚の付け根もボールジョイント接続で、動かしているとポロリしやすいです。
爪の先にホコリが付いているけど見なかったことにしてください。
アクションポーズその2。
ギリギリですけど立ヒザができます。
腰の回転さえできればポーズの種類も増えそうなので、胴体を削って可動域を確保するなどの改造をした方が良いかもしれない。
また古いキットゆえか、アクションベースの取り付け穴がないので股間パーツを挟み込むタイプのマウントを使います。
水中シーンは宇宙と同じような感じなのでアクションベースで浮かせた方がアニメ本編の再現はしやすいと思います。
北極の深海から連邦軍基地を襲撃すべく急上昇するズゴックEをイメージして撮影してみました。
室内を真っ暗にした状態で、ブラックライトの照射範囲を絞って当てています。
肉眼ではモノアイが光ってめっちゃカッコイイんですけど、写真ではそこまで光ってませんね。
この撮影技法は宇宙空間イメージでも使えますよ。
HGUCズゴックとの比較。
並べてみると同じ系列の機体とは思えないですけど、まあズゴックはズゴックですよね。
全高はズゴックの方が高く、横幅はズゴックEが広いという印象です。水陸両用MSって、なんかすごく良いですよね。
なんだろうかこの魅力。
というわけで今回はズゴックEのカスタムレビューでした。
作業のポイントは6つです。
- オレンジや赤を広範囲に塗る場合は透けやすいので下地塗装をしましょう
- 今回はキット全体にサーフェイサーを吹いて下地を作りました
- ウェザリングの前につや消しクリアを吹きます
- ウェザリングの途中でもう一度つや消しトップコートを吹いて様子を見ます
- 水陸両用なのでウェザリングは派手に入れても問題ありませんが、やりすぎには注意
- 腰の可動域を広げる改造をすれば、ポージングはかなり広がります
HGUCの中でもかなり初期に発売されたキットなので、合わせ目や関節構造などに古さが見られます。
ただキット自体の完成度は高く、腰の可動域以外に大きい問題はありません。
今回は加工しませんでしたが、腰を削って細くするのはアリだと思います。
塗装とウェザリングでアニメ本編を再現してみよう、ということでいろいろやってみましたが、いかがでしたでしょうか。
サーフェイサーなんて上級者のやることかと思っていましたが、下地作りの重要さを思い知らされました。
筆塗りでも塗料の乗りがスムーズだし発色もいいので、なるべくやった方が良いですね。
今回はウェザリングにやりすぎ感が出てしまって微妙な仕上がりになりましたが、ちゃんと塗装してアニメのシーンを再現するというテーマでガンプラ制作するのは楽しいです!
目的がハッキリしているとやりたいことも明確になるので、ぜひ皆さまもチャレンジしてみてくださいね!
HGUC 1/144 ズゴックE
価格:1,320円(税込)
発売日:2003年8月