■手間をかけずにゲルググを改造する
1/144 HGUCゲルググといえば古い製品のため、可動域などの設計が今の基準で見るとイマイチなところが多いわけです。とはいえゲルググ自体は人気のあるモビルスーツのため、バリエーションも豊富で作る機会も多い。なもんでコレをどうにかして良くしたい、しかも手軽に簡単な加工で!
ということでHGゲルググの簡単改造、スタートです。
■使用工具・材料
- 1.5ミリプラ板
- 1ミリ角プラ棒(2ミリでも代用可)
- デザインナイフ
- ニッパー
- 接着剤
- やすり等
■上半身の改造
・胴体の延長
まず気になるのが胴体の短さ。腹部の矢印部分がコクピットハッチなわけですが、これが胴体にめり込んでしまうくらいにクリアランスが少ない。これを解消するには、胴体をつなぐボールジョイントの接合部分をかさ上げするだけでOKなのだ。写真のとおり、ボールの受けパーツの付け根にプラ板(プラ棒でも可)を接着してから受けパーツを接着するだけ。今回の作例では1.5ミリプラ板を2枚重ねているので、ここだけで3ミリの延長になる。
・肩の付け根の改修
せっかくゲルググは肩アーマーが厳ついデザインのに、キットでは「なで肩」になってしまうのと、腕をまっすぐ下におろせないのが難点。改修ポイントとしては、まず可動域拡大のために肩の付け根パーツの溝を削って広げる。次に肩アーマーの内側に1ミリプラ棒を接着して、内側への可動を止めるパーツを作ること。写真を見た方が早いのでそちらを参照ください。また、今回の作例では施工していないが、肩アーマー側の付け根パーツの輪っかモールドを削って接続面を平たくすると、より肩アーマーが胴体に密着できるので肩がしっかりと接続している印象になる。
■下半身の改造
・股関節を外側にずらす
ガンプラ全般に言えることだが、ゲルググは特に股関節の接続位置が近すぎる。このせいで内股みたいな印象になるし、プロポーションが貧弱な印象になる。股関節軸を途中で切って伸ばすのは大変だし面倒なので、ここでは発想の転換で太もも側のポリキャップ接続部分を前に出すことで接続位置を変更する。まずポリキャップの入口を削って広げる。次にポリキャップのダボが入る溝にプラ板などを詰めこんで、ポリキャップ自体が前に出るようにストッパーにする。これだけ。作例では1.5ミリのプラ板の切れ端を適当に接着してあるが、ポリキャップの入り口がツライチになるぐらいでちょうどいいと思う。簡単な工作なのだが、脚が外側に接続することで得られる効果は大きく、全体的にどっしりとした重厚感が出せるようになる。
・関節の接続部分で脚を延長する
まず挟み込み式のヒザ関節の、太もも側のダボを切り飛ばして接着式とする。塗装もしやすくなるし、この接着面に1.5ミリのプラ板を貼ることで延長効果がある。次に足首のポリキャップを保持する溝に同じく1.5ミリプラ板を貼り、溝をかさ上げする。かさ上げされた分ポリキャップのハネは薄くする必要があるが、これだけで足首の接続部で1.5ミリの延長効果がある。切った貼ったの大改造をする必要がなく、トータルで脚が3ミリ延長されたわけで、たかが3ミリといえど比較写真を見れば一目瞭然、効果絶大の工作だと思う。
■全体比較
というわけで左側のシャア専用ゲルググが施工済み、右側の量産型ゲルググはほぼノーマル素組という比較写真。胴体で3ミリ、脚で3ミリと合計6ミリほど延長されているので全高がかなり違うのがわかる。胴体やヒザ関節、足首の部分を比較すると延長効果がわかりやすいと思う。やはり股関節を広げる加工の効果は大きく、HGがMGに似たドッシリ感が出ているように見えるので超オススメだ。