ホンコンの空港で自分たちの座席を横取りされたハサウェイだが、その地球連邦政府高官の娘であるクェスとはなぜかウマが合い、すぐに仲良くなっている。

ハサウェイはニュータイプとしての素養はあれど、アムロやシャアのような覚醒の仕方はしておらず、さらに言えばクェスほどの才能もないように見える。

この構図、どこかで見たことがあるとピンときた人は鋭い。

つまり、一年戦争時のシャアとララァに似ているということだ。

才能ある少女と自分の才能に気づいていない少年。

ハサウェイにとってクェスはシャアにとってのララァ・スンであるが、アムロとララァの間にあったような相互理解は経験していない。

その劣等感がクェスの面影を引きずることになり、そのトラウマは次作『閃光のハサウェイ』へと続いていくことになる。

それは『閃光のハサウェイ』劇中でも描かれており、クェスがシャアの下へと走り去っていく後ろ姿を思い返してしまうというシーンで、自身の弱さを痛感するハサウェイの苦悩が伺える。

宇宙世紀のガンダムシリーズは登場人物の過去の経験がそのまま次作に影響を及ぼすことが多く、そういう意味では大河ドラマ的な展開でもあるのだが、リアルな人生の一端を見せられている感覚にも似ていて、底なし沼のように作品にハマってしまう要因でもある。