最近のガンプラはキットの表面に「スジ彫り」と言われるディテールがすでに入っています。
昔の旧キットはツルっとした表面だったので自分で彫り込んだものですが、今はそんな必要はありません。
その「線」のディテールに色を付けて強調してやるのが「スミ入れ」という作業です。
漢字で書くと墨入れ。
黒い塗料で線を強調することが多いですが、地の色によってグレーや白といった変化を付けたりもします。
というわけで、今回はスミ入れの簡単なやり方、基礎知識からお届けします。
簡単な作業で見栄えが段違いになりますので、ぜひ皆さまも挑戦してくださいね~。
塗料の「特性」の違いを利用します
スミ入れに使う塗料はいくつかのメーカーから専用品が発売されています。
色も豊富に用意されていますが、オススメは「タミヤのスミ入れ塗料」です。
GSIクレオスの製品は面相筆などの道具が別途必要ですが、タミヤのものはキャップに細いハケが付属しているのでそのまま使えます。
買ってすぐ使えるというのは便利ですよね。
で、これらはすべて
エナメル塗料
だということを覚えておきましょう。
本体の塗装を水性アクリルカラーやラッカー塗料でしている場合、同じ系統の塗料ではスミ入れはできません。
なぜなら下地の塗面を溶剤が溶かしてしまうからです。
ガンプラの場合、塗面が強いラッカーか、使いやすい水性アクリルで塗装することが多いと思います。
要注意なのがガンダムマーカー
エナメル塗料であれば溶剤で塗装面をふき取っても大丈夫なので、スミ入れすることができるというわけですね。
で、これのボカシペンが意外と下地の塗面を溶かすことがあります。
ガンプラを水性塗料で塗装している場合は注意してください。
盛大にはみ出しても全然OKよ~
塗ってみた。
サンプルはHGUCのV2ガンダムです。
盛大にはみ出してますが大丈夫。
むしろちゃんと「線」に塗料が入り込んでいるかどうか、綺麗に線のディテールが出せているかの方が重要。
どれくらいのスミを残すかもここでイメージしておきます。
塗料は「塗る」というより「ミゾに流し込む」という感じで、ベチョッと置くよりミゾに沿ってスッと流し込むようにします。
塗料の濃度が高い(粘度が高い)と綺麗に流し込みできないので、そういう場合は溶剤で薄めて使うと良いです。
エナメル塗料用の溶剤です。
シンナー液というとアレなんですけど、まあ要するにシンナーですよ。
吸い込むと有害ですし、可燃性の液体なので火気厳禁です。
タバコ吸う人は外で吸ってくださいね。
小さい小瓶でも売っていますが、どうせならデカイやつがお得です。
これだけあればもう一生買わずに済みます。
で、この溶剤を綿棒などに染み込ませます。
瓶の口から綿棒を突っ込んで染み込ませるだけ。
ふき取りすぎに注意!
先ほどのスミ入れしたパーツ。
ある程度塗料が乾いたら余分なハミ出し部分を拭い取ってしまいます。
ある程度は乾燥していることが重要なので、スミ入れしてすぐにふき取ると全部なくなるので注意。
ちょっと拭い取りすぎた。
このように、結構ガッツリはみ出た状態でも、スイッと拭えてしまうので乾燥させるのは大事です。
線の部分に残らないと意味がないので、この辺のさじ加減は経験を積んでいくしかないですね。
こんな感じ。
線が綺麗に残っているのがわかります。
下地の塗料を厚く塗りすぎるとミゾが埋まって綺麗にスミが流れなかったりするので注意しましょう。
慣れるとガンダムマーカーで線をなぞるより早く簡単にできるので、スミ入れするならこちらの方がオススメです。
というわけで、簡単なスミ入れのやり方でした。
塗装はしないでメラミンスポンジ仕上げという場合でも、ディテールが強調されるのでスミ入れはした方が仕上がりはカッコイイです。
部分塗装、スミ入れ、メラミンスポンジ仕上げというのが時間も少なく簡単に見栄え良く仕上がるので、週末ガンプラ制作にはオススメのやり方だと思います。
また、黒だけでなく白やグレー、オレンジやブラウンというように下地に合わせてスミ入れの色も変えるとより効果的なのでオススメです。
皆さんもぜひお試しアレ~!
参考品
タミヤ スミ入れ塗料(ブラック)
https://www.tamiya.com/japan/products/87131/index.html