閃光のハサウェイってこんな話。ザックリあらすじをまとめてみました。
主人公はテロリストの首謀者
ハサウェイと言えばこのプリケツ。ダバオ市内でマフティーのメンバーと接触した際にハンバーガー屋での一コマだ。
宇宙世紀という歴史物語の中で中心的人物だったのはアムロ・レイとシャア・アズナブルだが、このふたりが歴史の表舞台から姿を消した後に残された人々の話が『閃光のハサウェイ』だ。
つまり、これまでの歴史を踏まえた上でないと本当に作品を理解することが難しいという意味においていつもの宇宙世紀ガンダムではある。
ともかく簡単に解説していこう。
- シャアの反乱(第二次ネオ・ジオン抗争)から12年後の世界。
- 地球連邦軍に正面切って対抗できる組織はもはや存在しない。
- 地球の環境破壊は進行中だが、地球全域に影響があるわけではない。
- 地球連邦政府は環境保護を名目にして一般市民のスペース・コロニーへの移住を推進し続けている。
ということで、最低限知っておくべき事前知識は以上となる。
シャアの反乱では隕石落としを少なくとも1回は実行している(フィフス・ルナをチベットのラサに落とした)が、内陸部の山岳地帯であったために環境への影響はさほど大きくなく、またすでに地球連邦政府の本部は移転していたこともあって政治体制が揺らぐほどの効果はなかった。
シャアは地球上に残る選民思想的な政治支配体制の打破を目指したが、地球を丸ごと寒冷化させるという極端な手段に出たために失敗したわけだ。
で、その戦いに巻き込まれ(自分から巻き込まれに行ったのだが)初恋の人を喪うことで大いにトラウマを背負わされたのが今回の主人公、ハサウェイ・ノアなのである。
シャアの反乱は歴史的事件として人々の記憶にも新しいが、マフティーはその再来なのかという新聞記事。
さて、閃光のハサウェイのストーリーをザックリ説明してみよう。
ジオン残党をまとめ上げたカリスマだったシャアが消え、ハマーンも死んでミネバも行方不明となった宇宙世紀0105年の地球連邦政府は、まさにダルダルに油断&腐敗した巨大組織だった。
シャアの志とアムロの意思を肌で感じていたハサウェイは、自らをその後継者であると考えて地球連邦政府の打倒を目論むようになる。
その手段としてハサウェイが選んだのは選挙とかデモのような平和的なものではなく、モビルスーツなどの武力によるテロ攻撃だったというわけだ。
マフティーという組織を作ったハサウェイは、独自の兵力を運用して連邦政府高官を狙ったテロ攻撃を繰り返し、政治的主張を吹聴するようになるのだった。
マフティーのシンボルは十字架や月など宗教的モチーフを組み合わせたもの。最近の傾向としては結構ヤバめなデザインでもある。
マフティー・ナビーユ・エリンというのが指導者の名前なのだが、組織名としてはマフティーとなる。
もともとは同じ名称だったはずだが、わかりにくいので短縮されたようだ。
マフティーは組織名であり、その実行部隊を指揮する人物名でもある。
さて、この映画でわかりにくいのは、ハサウェイ自身は地球連邦軍の英雄であるブライト・ノアの息子であるという前提だ。
要するにハサウェイは有名人であり、連邦軍にとっては要注意人物でもある。
というのも、ブライト艦長は歴代のニュータイプパイロットを指揮した人物であり、ガンダムタイプのモビルスーツを使って敵を殲滅し続けた人物だからだ。
地球連邦軍としてはブライトがニュータイプ部隊を結集して反乱でも起こされたらたまったもんじゃないわけで、危険人物として注視せざるを得ない。
戦績に対して階級が大佐どまりなのはそのためで、本来なら中将か大将でもおかしくないのがブライト・ノアという人物なのだ。
イケメンでイケボのケネス大佐。平和ボケした連邦軍には珍しく優秀な指揮官で、ハサウェイの名前も知っていたし、新型ガンダムも引っ張ってこれるくらいの実力の持ち主。
さて、この物語は本来ならば月面都市(おそらくフォン・ブラウン)でクスィーガンダムを受領したハサウェイが大気圏突入用のポッドで地球に降下、地上で活動するマフティーの仲間と合流してアデレード会議に出席する高官たちを暗殺する予定だった。
だが、ハサウェイが「暗殺対象者である政府高官たちの顔を直接見たい」というワガママを言ったために計画が大幅に変更。
クスィーガンダムは自動操縦で突入することになり、高高度まで行って直接乗り込むという無茶をする羽目になる。
さらに運が悪いことにハウンゼン356便がハイジャックされてしまい、地球連邦軍の士官であるケネス・スレッグ大佐と面識を得てしまった。
さらにさらにギギ・アンダルシアという運命の女との出会いがトドメを刺してしまい、ハサウェイの反地球連邦運動は前途多難になってしまったというのが、本3部作の1作目である今作のストーリーということになる。
ハサウェイのトラウマことクェス・パラヤ。奥でケンカしているのはアムロとシャア。このときにクェスを引き留められなかったことが大きな後悔となってしまっている。
人知れずシレッと姿を消すはずだったのに、警察機構やら地球連邦軍の司令官に目を付けられてしまい、さらに過去のトラウマをなぞるかのような女に気に入られて、ハサウェイ大ピンチなのだが、彼の決意は揺らいでしまうかというとそうではない。
ハサウェイも子供ではないし、アニメ化されたシーン以前にマフティーはかなりのテロ行為をしているので、その手は血まみれである。
それはそれ、これはこれができているのがハサウェイなので、ジレンマに陥ってグズグズ悩むようなことはないのは見ていても爽快である。
クスィーガンダム受領の際に使用されたのがメッサー指揮官型。それまではハサウェイが搭乗していたが、この作戦を成功させたことでそのパイロットを引き受けたエメ(エメラルダ・ズービン)に任されることになる。
ちなみに、ハウンゼン356便をハイジャックした犯人たちは偽マフティーだったが、実はオーストラリア大陸のオエンベリで反乱を起こしている勢力と関係がある。
ハサウェイのミスで拠点を失ったマフティーはオエンベリの勢力と協調すべく、進路をオーストラリアへと向けて映画は終わっている。
伊達にマフティーを名乗っていたわけでなく、ギャプランを使うなどそれなりの規模を持つ勢力のようだ。
さらに、本来なら回収できていたはずのクスィーガンダムの予備パーツなどが海に沈んだことで、今後はその形や装備が変わっていくことも予想できる。
さらに言えば戦闘で大きく破損したペーネロペーも修繕なり改修なりを受けて性能や形状が大きく変化することも予想できるので、今から続編が楽しみである。
ペーネロペーとの戦闘でシールドを破損し、ビーム・ライフルも使い捨ててしまったことから、今後の武装などに不安が残るクスィーガンダム。
ファンネルミサイルの直撃を受けて大破したペーネロペー。中の人ことオデュッセウスガンダムは無事のようだが、もしかしたら外装は大きく変更されるかも?